2026年を迎えるにあたり〜私たちが向き合うもの〜
早いもので、当院が2015年に開業し今年で11年目を迎えます。
次の10年、20年先の未来をみすえ、新しい年を迎えるにあたり、
私たち上林歯科が、改めて大切にしたい想いがあります。
当院が本当に向き合い、戦うべき相手は、
むし歯菌や歯周病菌そのものではありません。
「菌を減らそう」「歯みがきで汚れを落とそう」
「フッ素で歯を強くしよう」
こうした取り組みは、数十年にわたり歯科医療の現場で続けられてきました。
では、その結果、
むし歯になる人はいなくなったのでしょうか。
歯周病で歯を失う人はいなくなったのでしょうか。
答えは、残念ながら「いいえ」です。
日本の最新の統計データ(歯科疾患実態調査)を見ると、
幼少期のむし歯は確かに減少しています。
しかし、年齢を重ねるにつれてむし歯は再び増え、
歯周病は加齢とともに重症化していくことが示されています。
歯を失う本数は減少しているものの、
むし歯や歯周病になる人がいなくなったわけではない。
それが、今の日本の現実です。
では、私たちは何と向き合うべきなのでしょうか。
それは、
**病気そのものではなく、それを生み出す「環境」と「習慣」**です。
食べ方、飲み方、呼吸の仕方、姿勢、睡眠。
そして、幼少期からの口腔機能の発達。
これらが整っていない状態では、
どれほど丁寧な治療を行っても、
どれほど質の高い医療を提供しても、
むし歯や歯周病は繰り返されてしまいます。
ここで、私たちが最も大切にしている考えがあります。
患者さんの体は、私たち医療者のものではありません。
患者さんご自身のものです。
口や歯の健康は、
医療者の努力や、誰かに委ねることで守れるものではありません。
これまでの結果が示しているように、
「任せるだけの医療」では、本当の健康にはたどり着けないのです。
患者さん自身の意識と、日々の小さな努力。
それが前提としてあってこそ、
私たち医療者の知識や技術が意味を持ちます。
どれほど医療が進歩しても、
ご本人が向き合わなければ、
誰かが代わりに健康を守ることはできないのです。
私たちが目指すのは、
治療を受け続ける人生ではなく、
治療がいらない時間をできるだけ長くすること。
そのために、
治すだけでなく、伝え、支え、伴走する歯科医療を、
今年も変わらず続けていきます。
この一年が、
皆さんにとって、そしてご家族にとって、
「自分の健康と向き合うきっかけの年」となることを願って。
本年も、上林歯科をどうぞよろしくお願いいたします。